松本真也(京都・網野高)が史上初の8冠に挑戦…高知国体



 10月27日から高知・宿毛市で行われる国体・少年の部フリースタイル76kg級で
松本真也(京都・網野)が3連覇を狙う。同選手は1年生でインターハイ、国体、2年生で全国高校選抜、インターハイ、国体、3年生もここまで全国高校選抜、インターハイで勝っており(注・全国高校選抜大会は年度末の3月末にある大会ですが、新2・3年生が対象の大会であるので学年の最初の大会と解釈し、2・3年生の大会とします)、今回勝つと2年連続三冠王(選抜、インターハイ、国体)を含めて8個目のビッグタイトル獲得になる。

 これまで2年連続三冠王、インターハイ3連覇、国体3連覇などはいるが、3年間にわたってメジャータイトルを独占した選手はおらず、史上初の偉業と考えられる。ほかに00年と01年JOC杯カデット選手権でも勝っており、「10個」の全国タイトル獲得。さらに2度のアジア・カデット選手権でも勝っているので、空前絶後の大記録といえるだろう。


【これまでの高校レスリングのタイトル獲得記録】

 2年連続三冠王はこれまで5選手、インターハイ3連覇は1選手(松本が2選手目)、国体3連覇は2選手が達成している。三冠王は全国高校選抜大会が全国規模で個人戦が行われるようになった1975年以降に限られるが、最初に2年連続を達成したのは80・81年の
小林孝至(48kg級=茨城・土浦日大)。1年生の時は全国大会に出場していないので、メジャータイトルは「6」。ただし、この2年間はインターハイ団体でも優勝しており、“全国タイトル”は「8個」となる。個人戦のみに集中しての優勝ではないので不滅の大記録といえる。

 続いて82・83年に
山下浩(48kg級=茨城・霞ヶ浦)、84・85年に笹山秀雄(48kg級=青森・光星学院)、85・86年に花田秀実(52・56kg級=光星学院)、97・98年に松永共広(46kg級=静岡・沼津学園)が達成した。いずれも1年生でのタイトル獲得はないので、メジャータイトル数は「6個」。この中で笹山は全国高校選抜大会とインターハイの4度の団体戦すべてで優勝しているので、小林の記録を上回る。さらに85年から始まった全国高校グレコローマン選手権でも勝っているので「個人7、団体4」の「11個」の全国タイトルを獲得。

 花田は86年のインターハイ団体で霞ヶ浦に屈しているので笹山の記録には並べなかった。その分、85年全国高校グレコ選手権、86年世界ジュニア選手権代表選考会で勝っているので「個人8、団体3」でやはり「11個」のタイトルを獲得した。

 松永は1年生の時こそ全国大会出場はなかったが、2・3年生の2年間ともJOC杯ジュニア選手権、全国高校グレコ選手権に勝っており、2年連続五冠王で「10個」の全国タイトルを奪取した。ちなみに松本真也は全国高校グレコ選手権は、1、2年生の時とも3位に終わっており、3年生のJOC杯ジュニア選手権、全国高校グレコ選手権は不出場。2年連続で5大会すべてに勝った点では松永の方が上回っている。

 インターハイ3連覇を最初に達成したのは、93〜95年の
大橋理秀(74kg級=大阪・吹田)。全国選抜大会は2年連続で勝っているものの、国体は3年生の時にしか勝っていないので、メジャータイトルは「6個」。ほかに3年生の時にJOC杯ジュニア選手権、全国高校グレコ選手権で勝っており、全国タイトルは「8個」となる。

 国体3連覇は、79〜81年の
本田多聞(87・87kg以上級=土浦日大)が1年生はグレコで、2・3年生はフリーで達成。3年生では高校三冠王を達成したが、2年生のインターハイを落としているので2年連続三冠王ならず、メジャータイトルは「6個」どまり。ほかに3年生の時に世界ジュニア選手権代表選考会で勝ち、2度のインターハイ団体戦で勝っているので「個人7、団体2」の「9個」の全国タイトルを獲得した。当時、全国高校グレコ選手権があったら、もう2、3個は増えていただろう。

 国体V3は85〜87年に
石川宏明(65・70・74kg級=埼玉・埼玉栄)がすべてグレコで達成している。ほかには全国高校選抜大会とインターハイで1度ずつ優勝しており、メジャータイトルは「5個」。全国高校選抜大会団体戦の優勝を含めれば「6個」の全国タイトルを獲得した。グレコローマンで抜群の成績を残していたが、チームの方針もあってか、全国高校グレコ選手権には一度も出場していなかった。出場していれば、「9個」の全国タイトル獲得となったか?

 公式戦無敗をマークしたのは76〜78年の
栄和人(60kg級=鹿児島・鹿児島商工)。1年生秋の県新人戦から3年生最後の米国遠征11試合まで、県大会。九州大会、全国大会の団体・個人の出場したすべての試合に勝ち106戦無敗。この中には78年春夏の団体優勝も含まれている。ただし、2年生の全国高校選抜大会は急性盲腸に襲われて欠場しているので2年連続三冠王はならず、「個人5、団体2」の「7個」の全国タイトルに終わっている。

 連勝記録でいえば、81〜82年の
赤石光生(60・65kg級=青森・光星学院)の方が上で、2年生の全国高校選抜大会2回戦で負けたあと133連勝をマーク。メジャータイトルは全国高校選抜大会1度、インターハイと国体2度ずつで、「5個」だった。



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