松本慎吾(一宮運輸)がV4で天皇杯…全日本選手権
天皇杯全日本選手権最終日は12月23日、各階級の決勝が行われ、グレコローマン84kg級アジア大会金メダリストの松本慎吾(一宮運輸)が4年連続4度目の優勝を遂げ、天皇杯に輝いた。
最優秀選手賞は、フリースタイルが55kg級優勝の田南部力(警視庁)、グレコローマンが60kg級の笹本睦(綜合警備保障)、女子は72kg級優勝の浜口京子(浜口ジム)がそれぞれ受賞した。
各階級の成績は下記の通り。
◎フリースタイル
【55kg級】
田南部力(警視庁)○[2-2=9:00]●松永共広(日体大)
【評】田南部がタックルを自滅して2失点。この後、一進一退の緊迫した攻防が続いたが、ともにポイントは取れない。第2ピリオド終了間際、田南部が投げ気味の技で1点を返す。延長でのクリンチは松永の手が離れてしまい、2−2の同点へ。このまま延長もフルタイム戦い、内容で田南部の手が上がった。田南部は2年ぶり4度目の優勝。(写真:赤が田南部)
【60kg級】
太田亮介(警視庁)○[3-2=7:56]●関川博紀(新潟・三条工高教)
【評】太田が先にパッシブを取るがノーポイント。しかしタックルで1点を取る。第2ピリオドに1点を加えたものの、そのまま延長へ。クリンチのスタートでは太田が手を離して体勢が崩れ関川に1点。続いて関川が豪快なタックルを決めたが審判団は1点と判定。ラスト1分ころ、太田がすばやい片足タックルを決め、貴重な決勝点を挙げた。太田は初優勝。(写真:青が太田)
【66kg級】
宮田和幸(クリナップ)○[2-0=9:00]●筧田幸宏(国士大助手)
【評】第1ピリオドはお互い攻めるが、ともに決め手がなく0−0。クリンチでスタートした第2ピリオドは筧田が手を離してしまい、宮田が1点。そのままのスコアで第2ピリオドが終了。延長のクリンチは筧田の投げを宮田がうまく体乗せて押しつぶして1点。このあと両選手ともポイントがなく、2−0で宮田が勝った。宮田は2年連続3度目の優勝。(写真:赤が宮田)
【74kg級】
小幡邦彦(山梨学院大)○[3−1]●長嶋和幸(早大)
【評】小幡が2度連続でパッシブを取り、2度目のパーテールでローリングを決める。2−0のまま第2ピリオドへ。小幡がパッシブからパーテールで攻めるがノーポイント。長島が小幡の体勢崩してバックを取って1点を返した。しかし小幡がすぐに1点を返して3点目を取り、ラスト10秒を逃げ切った。小幡は4年連続4度目の優勝。(写真:青が小幡)
【84kg級】
横山秀和(秋田・秋田商高教)○[Tフォール、3:56=10-0]●山本悟(日体大)
【評】先にパッシブを取ったのは山本。しかしポイントにはならず、逆に横山がうまいグラウンド攻撃を決めて一気に5−0。第2ピリオドもタックルでポイントを加え、アンクルホールドで加点。もう1度体を返して10−0として圧勝した。横山はフリーで7年ぶり4度目の優勝。グレコを合わせれば4年ぶり6度目の優勝。(写真:青が横山)
【96kg級】
中尾芳広(エス・ピー・ネットワーク)○[3-0=6:25]●小平清貴(警視庁)
【評】第1ピリオドは0−0。クリンチでスタートした第2ピリオド、コイントスで勝った中尾が小平のバランスを崩して1点。小平はパッシブを取ったが決定技がない。中尾が2度続けてパッシブを取り、クリンチから片足を取ってテークダウンで1点。延長にもつれ、クリンチから同じように1点を取って試合を決めた。中尾は2年連続2度目の優勝。(写真:青が中尾)
【120kg級】
田中章仁(専大)○[5−3]●諏訪間幸平(クリナップ)
【評】田中が飛行機投げで3点を取り、押さえ込んで1点を追加。しかし体勢を変えられ、押さえ込まれて諏訪間が2+1点。第2ピリオドは田中がタックルで1点を追加。そのまま逃げ切った。田中は2年連続2度目の優勝。(写真:赤が田中)
◎グレコローマン
【55kg級】
豊田雅俊(警視庁)○[3-1=6:02]●安原隆(自衛隊)
【評】豊田がパッシブを取りパーテールで攻めるが、もつれてしまい、安原がローリングで1点。第2ピリオドも豊田がパッシブを取り、今度はローリングを決めて2点。延長へもつれ、クリンチから豊田がそり投げを決め、貴重な1点を挙げた。豊田は初優勝。(写真:青が豊田)
【60kg級】
笹本睦(綜合警備保障)○[5-0=6:05]●富谷光雄(自衛隊)
【評】笹本がパッシブからローリングで2点を先制。しかし、このあと富谷の攻撃に攻めあぐね、第2ピリオドを終わって2−0で、延長へ。しかし延長のクリンチでは、見事なそり投げを決め、振り切った。笹本は3年連続3度目の優勝。(写真:赤が笹本)
【66kg級】
飯室雅規(自衛隊)○[4−0]●大井将憲(自衛隊)
【評】飯室がパッシブを取り、場外をはさんでの2度のローリングなどで4−0とリード。第2ピリオドは両者ともポイントがなく、そのままのスコアで飯室が勝った。飯室は3年連続3度目の優勝。(写真:赤が飯室)
【74kg級】
永田克彦(新日本プロレス職)○[5-1=6:18]●菅太一(警視庁)
【評】永田がパッシブを取ってパーテールがローリング。しかし体勢が崩れて上下が入れ替わり、菅がローリングで1点を先制。永田は第2ピリオド中盤にパッシブでのパーテールポジションからローリングを決め、2−1と逆転。延長へもつれ、クリンチから首投げをきれいに決めて決勝点を挙げた。永田は6年連続6度目の優勝。(写真:赤が永田)
【84kg級】
松本慎吾(一宮運輸)○[Tフォール、2:27=11-0]木下英規(練馬駐屯地ク)
【評】松本がパッシブを取り、パーテールからローリングで2点。その後、俵返しなどグラウンドでたたみかけるような攻めを見せ、11点を取って実力を示した。松本は4年連続4度目の優勝。(写真:赤が松本)
【96kg級】
加藤賢三(大東大)○[4−1]●谷口周平(自衛隊)
【評】加藤が開始早々に飛行機投げで3点を先制。これで余裕をもって戦い、第2ピリオドに1点を加える。最後は1点を失ったものの、4−1で判定勝ち。加藤は初優勝。(写真:赤が加藤)
【120kg級】
鈴木克彰(警視庁)○[3−2]●瀬川浩寿(警視庁)
【評】瀬川が第1ピリオドの中盤にパッシブを取り、パーテールポジションからがぶり返しで2点。第2ピリオドは鈴木がパッシブを取りローリングで2点を返す。ラスト20秒、、相手を崩してバックを取って1点を勝ち越して逃げ切った。鈴木は3年連続3度目の優勝。(写真:赤が鈴木)
◎女 子
【48kg級】
坂本真喜子(愛知・中京女大付高)○[4−1]●吉村祥子(TBC)
【評】がぶり返しを耐えた坂本が片足タックルで1点を先制。吉村も回りこんでバックを取り1−1。第2ピリオド中盤、坂本がタックルで吉村を持ち上げ3点を追加。貴重なポイントとなり、17歳の坂本が勝った。坂本は初優勝。(写真:赤が坂本)
【51kg級】
伊調千春(中京女大)○[3-1=6:14]●服部担子(中京女大)
【評】第1ピリオドは伊調が2度パッシブを取るが、ともにポイントにはつなげられない。第2ピリオドのクリンチは伊調が服部を押し倒して2点を獲得。服部が1点を返し、延長へ。クリンチでは服部が手を離してしまい、伊調が決勝の3点目を取った。伊調は初優勝。(写真:赤が伊調)
【55kg級】
吉田沙保里(中京女大)○[フォール、0:25=6-0]●坂本日登美(中京女大)
【評】吉田が開始早々にすばやいタックルで3点を獲得、そのまま押さえ込み、もう1度ニアフォールへいってそのままフォール勝ち。吉田は初優勝。(写真:赤が吉田)
【59kg級】
岩間怜那(リプレ)○[4−1]●清水真理子(群馬県協会)
【評】岩間がタックルを2度決め2−0。清水がバックを取って1点を返す。第2ピリオドは、岩間がタックルで1点を加え、さらに清水の必死の攻撃を振り切って1点を追加。4−1で勝った。岩間は4年連続4度目の優勝。(写真:青が岩間)
【63kg級】
伊調馨(愛知・中京女大付高)○[Tフォール、4:25=12-2]●正田絢子(東洋大)
【評】伊調がパッシブを取り、パーテールからまささき攻撃で2+1点。さらにタックルを決めて4点目。第2ピリオドも早々にバックを取りグラウンドでも攻めて7−0、9−0とし、最後にまたさき攻撃。正田が返したが、すでに10ポイント差がついていた。伊調は初優勝。(写真:赤が伊調)
【67kg級】
▼三者リーグ
斉藤紀江(ジャパンビバレッジ)○[3-2=6:06]●坂本襟(中京女大)
【評】斉藤が先にパッシブを取るがポイントにはつながらない。逆に坂本が片足タックルからニアフォールへ追い込み2−0。第2ピリオドは0−0のあと、クリンチでスタートした延長で、斉藤が腰投げ気味に投げて3点を取り、逆転勝ち。2年連続2度目の優勝。(写真:赤が斉藤)
【72kg級】
▼五者リーグ
浜口京子(浜口ジム)○[フォール、1:40=5-0]●村島文子(中京女大)
【評】浜口が積極的に攻め、タックル2度で2−0。グラウンドはともに決まらない。その後、村島の必死のタックルを受けややピンチの体勢を迎えたがすぐに体を入れ替えて上をキープ。そのまフォール勝ち。(写真:赤が浜口)
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