2001年改正ルール要約

 日本レスリング協会審判委員会は、2001年度の改正ルールを発表した。主な改正点は、グレコローマンにおけるパーテールポジションの留意事項が追加されたこと、プロテスト(書面抗議)が廃止となったこと、コンタクト・ルールの細部が変更されたこと、の3点で、当初予定されていたガッツレンチ(ローリング)が1点となる改正案は、結局見送られた。

 改正点要約は下記の通り。(ルールに関する問い合わせは、本サイトでは一切行いません)


(A)追加事項

(1)グレコローマンにおけるパーテールポジションの留意事項

 パーテールポジションで下(防御)側のレスラーが、上(攻撃)側のレスラーの技術展開を避けるために前へ飛び出た場合(そのために上=攻撃=側のレスラーが下=防御=側のレスラーの脚部をつかんでしまった場合)、レフェリーは次のとおり措置する。

 1回目:下(防御)側レスラーのフライングに対して、口頭注意を与える。

 2回目:下(防御)側レスラーに警告(コーション)を与え、上=攻撃=側レスラーにテクニカルポイント1点とポジション選択権を与える。

(B)改正事項

(1) 63条:プロテストの削除

 試合後の不満の訴え(プロテスト)はなくなり、試合はマット上で審判団によって決定される。

(2) 57条:コンタクト・クリンチについて

 すべてのレスリングにおいて、第1ピリオド終了後の得点が0−0の場合は、クリンチが命じられる。《従来どおり》

 レフリーのコイントスにより、右四つ・左四つの優先権を決定する。

 クリンチの際は、センターサークル内で脚をまっすぐに伸ばし、上体を曲げてはいけない。

 レスラーが正しい姿勢でのクリンチを拒否した場合、レフリーは次の通り措置する。

  1回目:クリンチを拒否したレスラーに対し、口頭注意を与える。

  2回目:クリンチを拒否したレスラーに警告(コーション)を与え、相手レスラーにテクニカルポイント2点とポジション選択権を与える。

 もし一方のレスラーがクリンチをはずし、相手レスラーがアクションを続ける中で得点となる技術展開を行った場合は、当該レスラー(クリンチをはずしたレスラー)は警告(コーション)を受けずに、レスリングは続行する。

 片方または両方のレスラーがクリンチをはずした場合は、レフリーはすぐに試合を中断してはならない。(下記手順を踏む)

【手順】

 (1) クリンチをはずしたレスラーをジャッジに示す。それから、クリンチをはずしたレスラーまたは相手が、クリンチを変え、別の技術展開を行うのに必要な時間を与える。

 (2) クリンチをはずした後にアクションがなく動きが止まり、両レスラーとも技術展開が行えなくなった場合は、レフリーは試合を止める。そして従来どおりに、最初にクリンチをはずしたレスラーに警告を与え、相手にテクニカルポイント1点とポジション選択権を与える。

 明らかに両レスラーが消極的なレスリングを行っている場合は、第2ピリオドまたは延長戦において、審判団より、さらに1回または数回のクリンチを命じられることがある。

 上記のクリンチは、テクニカルポイントを得ることなく、2回続けてパッシブの注意を受けたレスラーがその対象になる。手順は常に同じであるが。積極的なレスラーが最初にクリンチする(優先権)。

 

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